ヒラリーさんが温暖化に協力を申し入れ

米国の上院議員24名がブッシュがモントリオールで開催されている会合への協力を求めた。 その中には、民主党のヒラリー・クリントンと共和党のジョン・マケインも含まれている。 メッセージは、2012年以降の議論は議会が承認した条約上の義務でもあるのだから、「少なくとも邪魔するな」としている。 なんといえばいいのか、ブッシュをさっさと退陣させるのが米国が世界に果たすべき義務だと思うが、それがうまくできない現在では、上院のこういう動きも重要かもしれない。 モントリオールでは論点整理が終わって閣僚級会合が始まった。ここでは、論点をひとつずつつぶして妥協していくという作業が行われるが、合意への道はものすごく険しいと言われている。 でもなぜ、「2012年以降の話をいつまでに完了させるのか」ということに合意することが難しいのだろうか。 察するに、交渉担当者はやはりこの新しく設定する締め切りが重要なものであることは認識している一方で、締め切りまでに合意できる気がしないので、締め切りの設定に消極的なのかもしれない。 まさか、2012年以降の対策はやめとこうと思っているわけではないはずだ。 BBC NEWS | Americas | US senators push Bush on climate

アメリカが2013年以降の温室効果ガス削減目標に反対

カナダのモントリオールで開催されている気候変動枠組条約締約国会議でアメリカが2013年以降の削減目標の設定に反対したということだ。 今後、各NGOから非難の声が浴びせられるだろうが、ここでも一言だけコメントしておこうと思う。 それは今まで米国は京都議定書に参加しない理由として、1)科学的な不確実性、2)途上国が削減しないのはおかしいという2点をあげていた。 しかし、1については、米国科学アカデミーがすでに科学的に温暖化が温室効果ガスによってひきおこされることはほぼ間違いないとしている。 この件については、JCCA/これまでの温暖化関連ニュースの「[2005.6.16] 米科学アカデミー、温暖化対策の取組を支持する声明」を参照。(声明はこちら) また、中国をはじめとする途上国の不参加については、第2約束期間からは参加すべきであるとする声が態勢を占めると考えられる。しかし、今回の米国の声明はそういう議論そのものに反対するように聞こえる。 つまり、米国はいろいろ理屈をつけているが、気候変動対策そのものに反対しているということにほかならない。 気候変動対策というのは、我々が今のような暮らしを続けるためには不可欠のものだと先進諸国では認識されている。それに反対するというのは、結局のところ、米国は現在の経済がいずれにしても長くは続かない、あるいは米国の覇権は長くは続かないと考えていて、せいぜい今のうちに楽しい暮らしをしようよと世界に呼びかけているとしか思えない。 米国政府は、我々の暮らしを後世代に伝えようとしない人たち、自分たちだけ良ければ良いという人たちだといわざるを得ない。 そういえば、グローバル化する世界における米国の一人勝ちを求める姿勢もそれにつながる。 アメリカ人ってこういう人ばっかりなのかな? もし違うと言うのなら、日本が民主主義がちゃんと根付いていない国だと批判するのなら、ブッシュ政権をさっさと倒すべきじゃないかと思う。 米国の自治体の首長は国とは違って温暖化対策を進める宣言を行なって、事実対策を独自に進めている。 こういう動きは心強いが、どうしてこれが国の主流にならないのか、なんだか不思議だ。 NIKKEI NET:主要ニュース 米国が温室効果ガス排出削減の目標に参加しない真の理由は、ブッシュ政権が原油利権と深く結びついているからということは良くいわれる。 今回の行動はまさにそれを示しているともいえる。 でも、本当に米国ってそんなあからさまな利権に国政が左右されてしまうような国なのだろうか。 戦争利権もそうだが、なんだか、情けないような気もする。

asahi.com:温暖化防止へ カナダでCOPMOP1開会-国際

会議ではまず、京都議定書の運用ルールの詳細(マラケシュ合意と呼ばれる)について合意しました。 これによって、京都議定書はとりあえずいつ第1約束期間(2008年-2012年)に突入しても大丈夫な態勢となりました。 ただし、運用ルールについて、日本だけは議定書の約束を守れなかった場合の罰則に「法的拘束力」があるのかないのか、つまり罰則は国際法上の意味を持っているのかどうかという点にこだわっており、今回の会議で大きな論点になります。 ちなみに、法的拘束力があれば京都議定書は改正しなければならなくなりますので、改めて各国が改正を批准し「改正部分が発効」する必要があります。 それから、2013年以降の削減目標を今のうちに決めておかないと、2008年になって、「やっぱり守れそうにない」って思った国が現在よりも緩い基準での削減目標を設定しようとしてしまいます。 これを避けるためにも、今回の会議で、2008年より前のどこかの時点までに第2約束期間の目標を定めることに合意する必要があります。 そんなわけで、議定書が発効して少し関心が薄くなりがちな温暖化関係ですが、実は議定書の発効は温暖化対策の1歩目にすぎません。 これからは関心を持つだけではなく、ちゃんと行動しなければというところです。 asahi.com:温暖化防止へ カナダでCOPMOP1開会-国際 マラケシュ合意については、GISPRIによる和訳を参照してください。 解説は、僕も関わっているのですが、CASAというNGOがだした合意を評価した報告書が良いと思います。 CASAの報告書

スラッシュドット ジャパン | Willcom,W-ZERO3の発売日と価格を発表

もうPDAはいらないって思ってたのですが、やはりこれは買いかも。 W-SIM+WiFiにOpera、ガンダムゲーム(別売)とくれば、もはや使わなくても買わなければという感じ。 「僕らはこういう商品が欲しいんだ」 と、フェアトレードとかエコ商品に対してモノを買うことで意思表示するようにしているけれど、IT機器に対しても同様。 (まあ、こっちは社会的な価値とか世界への影響とかそういうものは全くなくて純粋に趣味の世界ですが。。。 最近、エコな人のイメージが強いので、たまにはええかな、と) 実際的な理由としては、最近、携帯の音の悪さにへきえきしてて、H”にしようかなあと思ってたので絶妙のタイミングだった。 ちょっと大きめのPDAを手でがっとつかんで電話するものなんかいいかもしれない。 そういえば、昨日電車内で電話している人をおっさんがどなってた。 足をどんどんと踏み鳴らして、 「電話すんな!誰でも分かっとることやろ、電話したいんなら降りろ!」 僕の横に座ってたおばさん二人、 「そんないいかたせんでもええやんなあ」 「ほんまや。やめるもんもやめへんで。あほちゃうん」 同感。 携帯は音が悪いから向こうにも聞こえてないやろうと思ってどうしても声が大きくなる。 こういうのもH”にすれば、良く聞こえるから、自然こっちの声も小さくなるね。 スラッシュドット ジャパン | Willcom,W-ZERO3の発売日と価格を発表

下流社会

話題の本で、友人のクジラっぽい人が推薦してくれていたので、読んでみました。 僕はこういう本嫌い。 自分がこの本に書かれている類型に当てはまっていることを自覚させられてしまいますので。 別に型にはまっているのがいやというわけではないのですが、なんか当てはまってたらいやですよねえ。 たとえば自分が「負け犬」とか言われたり、「ちょいロクオヤジ」って名付けられたり、ね(笑) なんとなく「下流」に当てはまってしまっている気がするとはいえ、中身はまっとうで、面白かったです。 (自分はこの中に当てはまらない!って分かればこういう本、わりと好きです) そもそも、「下層」と「下流」は違うのだそうです。 下層とは、「食うや食わずの困窮生活をしている人」(p.5)であり、下流とは、中流から「意欲」がかけている人を言いいます。 本書はこの下流階級に所属する人に光を当てて分析しているわけですが、ここで言っていることが本当だとすると、これからの社会、本当に成り立つの?という疑問がわいてきます。 普通の暮らしっていうものをする人がいなくなったり、いやだけどやらなければならないことをやる人がいなくなったりしてしまうと、社会って成り立たないんじゃないかなあ。 三浦氏の指摘って実は社会問題化することを恐れて「下層」と「下流」は違うってあえて言っているけど、下流っていうのは結局は将来の「下層予備軍」だと思います。 そして、一般の人たちから意欲を奪ってしまうような社会はやはり長続きしないんじゃないですかね。 みんなが下層予備軍だとすると思い出すのは、この前読んだ『ネクスト・マーケット』。 ちゃんとした品質のものを小分けするなどの工夫で人々が日銭で買えるようにすれば、BOP(社会の底辺)にいる人たちにも物を売ることができるらしいです。 それと、今の下流社会の人たちが100円ショップ、99円ショップを日常生活に完全に溶け込ませてしまっている現状。 100円ショップの売り方はやっぱり、「BOP」、あるいは「下層社会」に対するものの売り方だという気がします。 三浦さんは、「そんなこといわれたくなかったら、意欲を持とうよ」って言ってるのかもしれません。

下流社会 新たな階層集団の出現

下流社会 新たな階層集団の出現

posted with amazlet on 05.11.28

三浦 展
光文社 (2005/09/20)

おすすめ度の平均: 3.02

2 うーん・・・
1 これがベストセラーになるというのがすでに…
1 作者は統計学、社会学を勉強した方がいい

Amazon.co.jp で詳細を見る

アンケートのとり方、分析方法については、まあ、これは学術書じゃないから・・・と言っておきましょうか。 いちいち目くじら立てるほどのこともないと思います。 厳密にやろうとして何も言えなくなるよりは、ある程度適当でも「インスピレーション」を大事にした方が良いです。 この本の真価はアンケート結果以外の部分にあるのだと思います。

コメントコントロールをインストール

本サイト(Nucleus)に対するSpamコメントがものすごく多かったので、しばらくていねいに手動で消していました。 でもそろそろ限界。 すぐに消していればスパマーもあきらめてくれるかと思っていたけれど、そんなわけない。 なんといっても相手は人間ではなくて、単なるロボット。 IPアドレスも詐称しているようで毎回変わる。 こうなっては対応は3つしかない。 1つ目はコメントを禁止してしまうこと。でもこれはスパマーへの敗北を意味する。 2つ目はコメントを一旦Web上に表示せずに、まともなものだけ掲載すること。ちょっとめんどくさいけど、100%安全。 3つ目は、スパムフィルターを入れて、自動的に処理する。ロボットにはロボットで対応だ。 今回は、フィルターではなくて、2番目のコメントを手動で管理する方法をとった。そのためのプラグインは、NP_CommentControl。 インストールや設定は例によってとても簡単。 これをインストールすることで、送られたコメントは、一旦すべて別の場所に保存される。 そして、手動で「Approve(受け入れる)」することでサイトに表示される。 しばらくはこれで実験して、だめなら3のスパムフィルターを導入する予定。 既に、スパムフィルターのプラグインも見つけてあるので、準備はできている。

今週2回目のできごと

今日は早めに家に帰ろうと駅へ行ったところ、電車が止まってた。人身事故だ。 今週は水曜に次いで2回目。 確か昨日は、朝、反対方向の電車が止まっていたから、自分には影響なかったものを含めると3回目だ。 正直、水曜はいらいらした。 でも、今日は30分待ったけど、いらいらしなかった。 それよりも、何だか悲しい気分になってむっつりとした気分で帰宅した。 こんな気分で家に帰ってもなあと、どっかの店によって帰ろうかなとも思ったけど、あいにくとこんな気分のときに行きたい店もない。 一度も会ったことがない人がどこかでなくなっているというのに、「なんで電車ちゃんと来ないねん!」といらいらしてしまうのはなんだか寂しい。 もしかしたら、明日隣に座るかもしれなかった人というのに、悲しみがいっぺんもわかないのがなんだか寂しい。 このペースで事故が起こるってことは、ほとんどの電車は「事故車」なんやなあと、そんなことを考える自分がちょっとおかしい。 人間って、動物とか飢えや病気で明日死んでしまうことのないような社会を作りたいと思ってこんな世界を作ってきたはずだ。 それを見て、「仕方ないよ」ってあきらめるのが嫌だから、こんな世界を作ってきたはずだ。 でも、毎日多くの人が絶望して自ら命を絶ってしまう。 そして僕たちは「仕方ないよ」どころか、「約束に1分遅れるやんけ」とか、「疲れてんねんから、はよ帰りたいねんけどなあ」としか考えない。 僕たちはいったい何を目指しているんだろう。 できれば、どんなに急いでいても人身事故で電車が遅れるときだけは、いらいらしたりせずに、少し悲しい気分になれる自分でいたい。

スローカルチャースクール始動!

Drawing

友人の宮田さんが、11月3日文化の日にスローカルチャースクールを立ち上げました。 日本の伝統の暮らしを見つめて暮らそうよというメッセージが込められています。 このスクールは、宮田さんの自宅である古民家と、近所にある古民家(こちらは若干再生の必要あり)とそこに付随する農場、山の中にある牧場という3つを拠点にしています。 訪れた人たちは、合宿をしながら農作業や様々な手仕事を学び、宮田さんの講義を聞くことが出来ます。 宮田さんは本当にやさしいけど、芯のしっかりした方で、話をするというよりはゆっくりと話を聞いてくださいます。 人生に疲れた人や目的を失ってしまった人でも、帰るときにはまた歩いていこうという決心が出来上がっている、そんなスクールになると思います。 宮田さん以外にも、陶芸をやっている方や竹炭職人(こちらも僕の友人)がいたりで楽しいスクールになりそうです。 僕も協力者にしてもらいましたので、定期的に訪問して一緒に作り上げていきます。 場所は鹿児島県出水市で、鹿児島空港からバスで1時間強の場所にあります。バスは、1時間に1本出ています。 興味のある方は、「広報担当」を仰せつかっている(笑)僕までご連絡ください。 写真は、看板作成中の筆者と、完成した看板です。 気合いの入り過ぎで、なんだか「カル」がでっかくなってしまいました。 ごめんなさい>宮田さん。 SlowCultureSchool

コラムの追加

少し間が空いてしまいましたが、福岡の環境マネジメント研究会の会報に毎月掲載しているコラムを公開しました。 この間も毎月コラムそのものは書いていたので、3つまとめての公開になります。 少し関心を環境から健康に移して、「たべものと健康」、「マクロビオティック」というテーマを取り扱いました。 また、9月に行ったデンマークに関するメモも一つ掲載しています。 http://envecon.ecofirm.com/filemgmt/viewcat.php?cid=3

ネクスト・マーケット

1日2ドル以下で暮らす「貧困層(ボトム・オブ・ザ・ピラミッド:BOP)」は援助の対象ではなくて、商品を購入してくれる顧客だという主張。 「まったく多国籍企業はどこまで人々を食い物にすればええんや。ぼろくそに批判したる!」という意気込みで購入した。 読んだ結果、「なるほど納得」。 本書はプラハラード教授とその学生たちが調査した結果に基づいていて、主張もその背景もしっかりしている。妙な論理の飛躍もなく、ぜひ一読をお勧めする一冊。 特に、BOP層の心理として、企業がBOPに「消費者として注目される自尊心と選択の機会」を与えるという主張(p.51)は鋭い。 口では自立しろと言いながら、「あんたらはほんまは稼がれへんねんから、僕らが助けたるな」といいつつ援助をしているのでは、いつまでたっても途上国の自立は見えないのかも知れない。 そういえば、NGOのスタッフから「援助疲れ」という言葉を聞くことがある。 それではこれで世界の貧困が解消されるのかといえば、手放しでは喜べない気もする。 BOPが貧困から脱する鍵を握るのは大企業だというようなことが本書の主要な主張だが、いくら大企業と地元企業、地元住民、NGOのパートナーシップが重要だと言われても、世界の富裕層から貧困層までがグローバリゼーションに飲み込まれていくのはなんだか恐ろしい。 それと、彼らが主要なマーケットと見なしているのは中国、インド、南米である。 これらの市場はすでにテイクオフの経路に乗っているという見方も出来る。 問題なのは、それよりも下のレベルにある国々ではないのか?特に戦争や内戦に苦しむ人々だ。 本書はこれらの国や地域でいかにして平和を構築するのかという重要な問いには答えているだろうか? もし答えていなければ、すでにテイクオフしかけた市場を見て、「参入する大きなチャンス」と言っているだけで、これらの市場をここまで安定させた努力を軽視していることにならないだろうか。 ちょっと批判的にコメントしたけれども、冒頭に書いたように非常に興味深い本だ。 賛成できる指摘も多くあったので、少していねいに読み返す予定だ。

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略

posted with amazlet on 05.11.07

C.K.プラハラード スカイライト コンサルティング
英治出版 (2005/09/01)
売り上げランキング: 314

おすすめ度の平均: 4.62

5 久しぶりに骨太な本
5 常識をくつがえす
5 MBA必読

Amazon.co.jp で詳細を見る