アメリカが2013年以降の温室効果ガス削減目標に反対

カナダのモントリオールで開催されている気候変動枠組条約締約国会議でアメリカが2013年以降の削減目標の設定に反対したということだ。 今後、各NGOから非難の声が浴びせられるだろうが、ここでも一言だけコメントしておこうと思う。 それは今まで米国は京都議定書に参加しない理由として、1)科学的な不確実性、2)途上国が削減しないのはおかしいという2点をあげていた。 しかし、1については、米国科学アカデミーがすでに科学的に温暖化が温室効果ガスによってひきおこされることはほぼ間違いないとしている。 この件については、JCCA/これまでの温暖化関連ニュースの「[2005.6.16] 米科学アカデミー、温暖化対策の取組を支持する声明」を参照。(声明はこちら) また、中国をはじめとする途上国の不参加については、第2約束期間からは参加すべきであるとする声が態勢を占めると考えられる。しかし、今回の米国の声明はそういう議論そのものに反対するように聞こえる。 つまり、米国はいろいろ理屈をつけているが、気候変動対策そのものに反対しているということにほかならない。 気候変動対策というのは、我々が今のような暮らしを続けるためには不可欠のものだと先進諸国では認識されている。それに反対するというのは、結局のところ、米国は現在の経済がいずれにしても長くは続かない、あるいは米国の覇権は長くは続かないと考えていて、せいぜい今のうちに楽しい暮らしをしようよと世界に呼びかけているとしか思えない。 米国政府は、我々の暮らしを後世代に伝えようとしない人たち、自分たちだけ良ければ良いという人たちだといわざるを得ない。 そういえば、グローバル化する世界における米国の一人勝ちを求める姿勢もそれにつながる。 アメリカ人ってこういう人ばっかりなのかな? もし違うと言うのなら、日本が民主主義がちゃんと根付いていない国だと批判するのなら、ブッシュ政権をさっさと倒すべきじゃないかと思う。 米国の自治体の首長は国とは違って温暖化対策を進める宣言を行なって、事実対策を独自に進めている。 こういう動きは心強いが、どうしてこれが国の主流にならないのか、なんだか不思議だ。 NIKKEI NET:主要ニュース 米国が温室効果ガス排出削減の目標に参加しない真の理由は、ブッシュ政権が原油利権と深く結びついているからということは良くいわれる。 今回の行動はまさにそれを示しているともいえる。 でも、本当に米国ってそんなあからさまな利権に国政が左右されてしまうような国なのだろうか。 戦争利権もそうだが、なんだか、情けないような気もする。