マクロビオティックの講習会での講演

正食協会という、大阪でマクロビオティックを普及している団体の講習会で講演してきました。 今回の講習会は、協会の料理教室で師範コースに斯様人70名程度を対象にしたもの。 タイトルは「環境問題と日常生活」です。 普段の暮らしでの実践が地球環境問題とどうつながっているのか、特にマクロビオティックを実践することが、エネルギー消費やごみ問題とどう関わっているのか紹介しました。 日々の実践を続けていくうえで一番難しいのが、毎日複雑な環境問題のなかでよりよいものを「選択していく」ことです。 この選択の問題をマニュアル化することができないかなと考えて、今回は以下の6カ条を作ってみました。

  1. 伝統的な技術(十分なテスト)
  2. シンプルな技術(理解可能なものを使う)
  3. 小規模な技術(スモール・イズ・ビューティフル)
  4. 情報が公開されていること(アクセシビリティ)
  5. 信頼できる人の意見(判断を誰かに委ねる)
  6. 使用量が少ないこと(重要なものから考えていく)

同時に、協会の講座の卒業証書もいただきました。 これで晴れて、マクロビオティックの「師範」です。 まだまだ勉強したいことたくさんありますが、とりあえず一通りの知識は耳にしたという感じです。

新作:ごみ問題と循環型社会のサンプルが届きました

いよいよ、2冊目の本が出ます。 博士論文をベースにして加筆して構成を変更したものになっています。 ごみ問題はボトムアップで考えていかなけれいけないんじゃないだろうかという考えのもと、現状分析から政策モデルの提案まで行なっています。 最近はあまり「ごみ博士」らしくない活動をしていますが、やはり原点を確認して、もう一度ごみの問題を研究し直そうと思っています。 1999年3月に博士論文を提出して以降、いつか出版しないとなって思いながら、長いときが経ってしまっていました。 この本はその懸案事項を一つ片付けることができた重要な業績です。 業績と言えば、本書の5章に紹介している研究(ごみ収集・処理政策に対する住民意識調査と選択型実験)を書き直した論文がWaste Managementという専門誌に載りました。 こちらも、英文ジャーナルへの単著論文の掲載という、(小さいながらも)大きな一歩となりました。 2007年3月は、僕の研究生活にとって重要な月になりました。 今月と言えばもう一つ、僕がずっと関わってきているCMS(Webサイト管理、会員管理ツール)のGeeklogに関する本も出ました。 こっちも感慨深いです。 これらの業績は、いろいろな方の協力で完成させることができました。 今までご協力いただいた皆様、ありがとうございました。 そして、これからもよろしくお願いします。 本については、アマゾンに掲載されたらまた紹介します。

あるもの探しってやっぱり難しい

土曜日、兵庫県の三木市で開催されたソーシャル・アントレプレナー・シンポジウムにコーディネータとして参加してきました。 兵庫県商工会議所青年部のイベントで、スロービジネススクールの中村隆市氏とユニバーサルデザイン総合研究所の赤池学氏をメインゲストにお迎えしてのイベントです。 赤池さんというのは、「自然に学ぶものづくり―生物を観る、知る、創る未来に向けて」や、「昆虫力」の著者です。 実は赤池さん、「自然に学ぶものづくり」が発売された直後に、この本を空港の売店で発見して以来、ファンだった人です。 会いたいと思えば実現するものですね。 これからの展開も楽しみです。 シンポジウムはといえば、参加者が60人ぐらいいて、かなり盛況でした。 赤池さんは、ご自分のかかわった先進事例を豊富に紹介してくれましたし、中村さんは、これからどういう世の中を目指したいのか、ビジョン作りのための種をたくさん紹介してくれました。 そのうえで、今回は「外の視点」というものがキーワードになったと思います。 地域活性化のキーワードとして、あるもの探しというものをするんですが、その際には、「外の視点」が有効そうだということ。 「外」というのは、いくつかあります。

  • 今まで視野に入れていなかった地域の価値という「関心の外」。
  • 過去や未来という「時間の外」。
  • 地域外の人の視点や事例という「空間の外」。
  • 人間以外の生物という「種の外」。

こういう外の視点や取り組みに学ぶことで、いろんな可能性が見えてきます。 ただ、難しいのは、他であることを「そのまま」持ってきたのではいけないということ。 その意味を自分たちで考えて、消化して、自分たちなりのものを作っていく必要があるんですね。 しかし、テーマが難しかったというか、パネルディスカッションの話題をつなげるのに若干苦労しました。 僕の準備不足ということもありましたが、いろいろな不慮の問題(マイクが足りなかった、ゲストの座席配列がいまいちだったなどなど)も加わり、時間がすごく長く感じられました。 パネルディスカッションってだいたい時間がすごく短くて消化不良なものなのですが、今回は初めて時間があまった感がありました。 コーディネータの力量が不足して、パネリストから話題を引き出せないとこういうことになるんですね。 大反省です。

トップページを久々に更新しました

ながらく放置していたトップページ、更新しました。 あまり凝ったものはしんどいので、オープンソースで配布されているテンプレートをそのまま使用しただけですが、春らしくなったと思います。 どうでしょうか。 Webデザインの勉強をすこしずつ進めています。 確かに、センスがないとできない部分も多いのですが、ちょっとしたコツのようなものをつかめば印象ががらっと変わるってことも多いみたいです。 これまでデザインは無理って思っていましたが、ちょっとしたコツ+ていねいな作り込みを心がけながら、自分にもできる最低限のデザインを覚えていきます。 ここも本当は、色ぐらいは気軽に変えられるはずなんですが、色合いの選択がなかなか難しいところです。

いろりのある空間で勉強会

先日(13日)のスローな勉強会は、温暖化をテーマにやりました。 今回は新加入のいろりをみんなで囲みながら、ぼちぼちと話ができました。 今回の参加者は6名とちょっと少なめ。ちょっと告知が行き届かなかったかも。 YMOはすこしずつ変化していっていて、居心地がいい空間になりつつありますが、いろりはやっぱり夢でしたね。 そのいろりが入って、そこで勉強会ができるなんて、願ってもないことです。 今回はテスト的にみんなにいろりの3方を囲むように座ってもらって、僕はステージの上から話しかけるスタイルをとってみました。 ・・・そしたら、ステージの上はめっちゃ煙くて、頭痛くなってきました。 やはりいろりは煙対策が必須ですね。 あったかいのはあったかいんですが、このままだとお蔵入りしてしまいそうな気配です。 本当は、温暖化の話をしているときに、バイオマス(薪)の利用を目の前でしているなんて理想なんですが、現実は厳しいです。 電気の暖房がいかに「見える範囲の」空気を汚さないか、よーく分かりました。 バイオマスの利用促進や、省エネを勧めることも大事ですが、みんなが便利な方に流れた結果今があるってこと、忘れてはいけないですね。 流れを変えるのは大変だ。 200年計画で行きましょう。

Geeklogの本が出ます!

ぼくがもうずっと関わってきているCMS(コンテンツマネジメントシステム)のGeeklogの解説本が出ます。 そろそろと思っていたんですが、amazonで検索してみたら、ありました! まだ予約段階で、画像も出ていませんが、もうすぐですね。 なんだかすごくうれしいです。 これが普及のきっかけになればいいなあ。

排出権に関する間違った認識

温室効果ガスの排出権市場が盛り上がっている。昨年には年間で5000億円近い額の取引があったという。 もちろん、この市場で一儲けしようとする人や企業も多いのだろう。 温暖化という深刻な問題で儲けようなんて、なんか嫌な話だけれども、制度設計で(認証された)民間企業の参加を認めてしまった以上、仕方がないだろう。 最近気になっているのは、「中国から排出権を取得」とか、「途上国の排出権市場」という言葉だ。 温室効果ガスにおける排出権取引(本当は「排出権」という言葉も違う)は、あくまでも京都議定書で削減目標を持っている国の間だけで行なえるものだ。 これらの国で発生した削減クレジットを移転するための制度だ。 それなのに、削減目標を持たない中国や京都議定書に参加していないオーストラリアとの取引があたかも自由に行なえるかとでも言えそうな報道や宣伝が多い。 最近の報道では、「【中国】北京に「排出権取引所」 中国と国連、年内設立目指す 英紙報道」というものがある。 なんやこれ?と思って元ネタに当たってみたら、訳がぼろぼろな有様。 計画に参加しているUNDP(国連開発計画)の担当者の発言でも、この取引所が温室効果ガス削減に関する国際取引所として意味を持つのは2012年以降、つまり京都議定書以降であると書かれている。 これを訳さずに、「中国が2012年までに、世界全体の二酸化炭素の排出枠の41%を占めると予測しており、欧米と世界3極をなす可能性のある取引所に期待している」という部分だけを訳すのは意図的にしろ、少々納得がいかない。 ちなみに、その下に「プロフィール」として、排出権取引の説明があるが、これも間違い。 EICネットの用語解説ぐらい参照した方がよい。 ほんとうは、批判めいたものは書かないようにしようと、最近心がけているのですが、さすがに最近の温暖化をめぐる不正確な報道には一言言いたくなってしまいました。 ゴアの不都合な真実もいいけど、「不正確な報道」にもみんな関心を持ってもらえればと思う。

アフィリエイトの売上げで買い物しました

一年近くアマゾンアフィリエイトをやってきた成果は1890円でした。 金額としては大したことないのですが、このブログの訪問者のみなさんが協力してくれた成果だと思うと、うれしいです。 そこで、さっそく、このブログのコンセプト(スローな生き方を模索する)に合う内容の本を買いました。 「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史(3360円)です。 スローな勉強会を開催している、十三のスペースYMOで閲覧可能にしておきますので、勉強会の際にでも問い合わせてみて下さい。 スローな生き方を考えるということは、そもそも僕らの考えている豊かさってなんだろうと問い続けることなんだと考えています。 我慢することがいいことなのか、消費することが悪いことなのか、清貧であればよいのか。 辻信一さんは、スローという言葉に「持続可能」という意味を込めています。(スロー・イズ・ビューティフル―遅さとしての文化 ) 環境問題についてここまで知ってしまった以上、僕たちはふとしたときに、「こんなことやってて、自分の老後や子どもの世代には地球はだめになってしまっているんじゃないだろうか」という不安感につきまとわれてしまいます。 おそらく、スローな生き方をするという対価として、「このまま地球はうまくやっていけるだろう」という未来への安心感がもたらされるのだろうと思います。 アフィリエイトの仕組みがよいことかどうか、僕もまだ考えている途中ですが、少しずついい本をためていければいいなと思っていますので、これからもご協力ください。 そうそう、先にあげたスロー・イズ・ビューティフルや「簡素な生活―一つの幸福論」など、僕のおすすめするスロー入門的な本は、スペースYMOに順次寄付する予定ですので、ぜひ見に来てください。

国会は国の問題を話す場です

今はいろいろと難しい時期。きっちりといろいろな問題について国会で議論していってほしい。 柳沢厚労相の発言をめぐって、民主党が国会の審議を拒否しているそうだ。 確かに柳沢厚労相は、立場からいって脇が甘すぎるし、普段からああいうことを考えているのだろうから辞めるべきだし、そもそも国会議員として不適格だろう。 でも、そんな問題、正直言ってどうでもいい。 国会はとかく議員の不祥事で審議がストップしがちだ。 ラジオの中継で予算委員会を聞いていたら、ずっと偽メール問題を審議していたり、ね。 だけど、なんで予算委員会でそんな話するの? 今、国は赤字で破綻寸前、将来の国づくり、どうしたらええのん?って一生懸命議論する必要がある。 ほうっておくと、国民みんなが飢えて死んでしまうかもしれない。 そんなときに、議員一人の醜聞の追求で貴重な時間を使っていいものか。 国会議員の不祥事については、公安のような怖い組織を作って、専門家が追求すべきだ。 特に与党の議員への追求を厳しくすることにすれば、二大政党制に向かう時代では、「次は我が身」感が強まり、効果が出るだろう。 その際、法律成立3年以前の不祥事については問わないという免責条項をつけて制度を発足させてもいい。 過去にこだわるより、これからきちんと議論する環境を整えることの方が大事だ。 僕には今の国会議員、ワイドショーのレポーターにしか見えない。

ベータの香りがする電子マネー

イオングループが電子マネーを導入するそうです。セブンイレブン系もnanacoというのをだすといいます。 電子マネーといえばSUICA、ICOCA、エディで決まりじゃないのかなあ? コンビニではサインレスでカードが使えるところが多いみたいだから、「小銭持ち歩きたくない」って人は、すでに各コンビニの発行するカードを使っている気がします。 自社のカードに利便性を付け加えることと、目新しさを狙ってというのはよく分かるのですが、それならばいっそ、おサイフケータイに全店で対応する方がよいでしょうね。 いちいちレジでカード出すのめんどくさいし、カード増えるのいややし。 利用者にとっては、電子マネーは電子マネーで、一つ持っていればどこでも使えるのであれば、確かにサイフよりも手軽で便利な気がします。 でも、この店はこの電子マネー、こちらは別の、となると、結局は「どこでも使えるお金がやっぱりべんりやね」となってしまいます。 おまけにクレジットカードやデビットカードも使い慣れると相当便利。 今さら新しい電子マネーを入手する必要ってない気がします。 確かに技術的には少しずつ違っていて、優劣もあるのでしょうけど、最終的にはネットワーク外部性(たくさん使えるものが普及して、各店舗も一番普及したものに対応していくというサイクル)がはたらいて、一つに収斂していくでしょうね。 おそらくは、ICOCAとSUICAが完全に互換性を持つようになればこれがそうなのかなと思います。 エディのばあいは、各駅でも使えるようになれば最強という気がします。 (逆にICOCAとSUICAはエディの乗り入れを許すと、食われる可能性が高い) 新しく出てきた電子マネーは、性能がいいにも関わらず少しずつマイナーになっていって、気づいたら使える店がなくなっていたというビデオのβ規格の香りがぷんぷんします。 唯一の救いは、せっかく作ったICカード、おそらくは無駄にはならないということ。 電子マネーは規格が乱立していますが、実際のところは、ICカードの方式が同じならば、違う電子マネー用のカードでもICカードにソフトを入れさえすれば別の電子マネーも使えるようになるはずです。 ICカードも結構希少な金属を使っていそうなので有効に使われるにこしたことはないですよね。 ちなみに、電子マネーってつかってますかね?