書籍:奄美と開発

『奄美と開発』 鹿児島大学プロジェクト「島嶼圏開発のグランドデザイン」編、南方新社、2004年 まれに見る良書。寿命の短い本の多い昨今、このような良心的な書が出るのは驚きだ。 ただし、小出版社だけに初版は少なそうであるから、早めに入手しておいた方が良いだろう。 紹介は、奄美便りにもある。 ・・・と、いつか書いてみたいですね。 この本、実は1月に奄美大島で開催したシンポジウムが元になった本で、僕もこのシンポジウムにパネリストとして参加しています。また、後半ではパネリストがそれぞれ一章を担当して執筆しています。 そんなわけで、この本の1割強ぐらいが僕のしゃべりを起こしたものと論文になっています。 屋久島プロジェクトと奄美プロジェクトの二つを抱えて、かなりテンパっていた状態だったのですが、鹿児島大学を出て行くのだから最後に貢献しろ(させてあげます?)とありがたいお言葉をいただいてやった仕事です。 内容は、他でも書いたようなことの繰り返しで、自分で読むと、 「あー、枯れかけてるな」 と思ってしまいますが、一般書として人の目に触れているものはないので、あまり僕の文章を読んだことがないか方は是非手に取って頂きたいなと思います。 他の方の話が結構、奄美の実情を見て話していて、おもしろいんじゃないかと思います。 歯に衣を着せずに話してますから。

デザインの国際性

新しい携帯が欲しいなあと思っています。 別に古くなったわけではなくて、単純に、欲しい端末が出たからです。 au Design Projectから12月に発売される、talbyがそれです。 何となく、ストレート型の端末が欲しいのですが、世の中は二つ折りとか、回転式とかのとにかく折りたたみでディスプレイが2つあるタイプばかりです。 そんな中、欲しかった一つがauのINFOBARなのですが、これはうちの相方が使っててとても使いやすそうなのでパスしときました。 どうしようかなあと、思っていたところにtalbyの情報が入ってきたので、買う気満々でした。 ただ、スクリーンショットを見てちょっと考えています。 これ、カスタマイズ出来るメニューの一つ用の動物らしいのですが、 「これはないやろ?」 デザイナーは外国の方らしいのですが、海の向こうではこれがかわいいってなるのでしょうか。日本側はこれで了承したのでしょうか。 なんとも、センスが違うなあと感じます。 このテーマを選択しなければいいだけと言えばそれまでなんですが。 いちおう、前に携帯買ったのが、この時なので、まだ1年半しか経ってないから早いと言えば早いんですよね、まだ。 でも新しい携帯の2次元バーコードについては、研究でちょっと欲しいんですよねえ。。。 自分用じゃなくて、研究用として買うか?

11月第1週の環境ニュース追記

10月30日から11月5日の環境ニュースです。 今週の環境ニュースのトピックは、核廃棄物のリサイクル(核燃料サイクル)にごみ問題と環境税です。 核燃料サイクルについては、再利用を進めるか直接処分をするかという選択で、核燃料サイクルには費用の問題と、技術的に未成熟であるという問題があると言うことが指摘されていました。 しかし、そういう問題はこれから考えることにして、とりあえず既定路線を維持することになりました。 これは明らかに出来レースじゃないの?と言いたくなりました。 御用学者という存在を久々に実感しました。 重要な問題なのだから、もうちょっと議論しなければ行けないのに、基本的に問題先送りで、既定路線通り進める。 核燃料サイクルが悪いとは言いません。きちんと議論して、きちんと国民に説明してもらいたいです。 このままでは、僕は国がなぜ核燃料サイクルを選択したのか、学生に聞かれても答えられません。 ごみに関するトピックは、災害による廃棄物の問題です。新潟の地震と台風、洪水による被害で、今年は膨大なごみが出ています。 このごみ処理に対しては、国庫から補助が出ますが、この金額が今年はどれぐらいになるか検討も付かないそうです。今年は、新潟県、福井県の洪水被害だけですでに100億円を計上しています。(ちなみに、阪神大震災では1600億円だったそうです。) 災害時のごみは、ふつうに暮らしていてちまちまと分別するのがばかばかしくなるぐらい量も多いし、ごみもごちゃ混ぜになってしまいます。「ちょっと修理すれば使える」かもしれないものでも、量が膨大なだけに、とにかくなんとか処理することの方が先決になります。 ただ、ちょっと考えてもらいたいのは、お金さえ払えば、これだけのごみを何とか処理できるってことです。ごみ焼却施設は、かなりの余力を持っていて、半分ぐらいが止まっても大丈夫なほどです。これは、自治体同士でごみ処理を協力し合わないことの表れで、何かがあっても自分のところで対応したいから、余分に能力を持った炉を作ることになります。この建設費・維持管理費はかなりのものになります。 この余力があればこそ、今大変ながらも何とかごみが処理できそうな漢字になっているのだと思います。 今、この焼却炉の余剰分をどう考えるか、検討すべき時期かも知れません。 環境税は、難しいですね。 いちおう、環境省案が発表されました。案では、一世帯当たりだいたい年間3千円程度の規模になるようです。 このニュースを聞いて僕はちょっとびっくりしました。 3千円程度なら、今払ってる税金をうまくやりくりすれば何とかなるのでは?ということです。わざわざ大騒ぎして税金を導入する割には、規模が小さすぎます。おまけに、製鉄業など、二酸化炭素を多く出している産業は免除されるらしいですね。もちろん、石炭などへの補助は変わりませんし。 これって、本当に環境税なのか?と言いたくなってしまいます。 環境省としては、妥協を重ねて、ぎりぎりの選択なのでしょう。それは理解できますが、どうせやるならもうちょっと抜本的な税制改革をやって欲しかったです。 今週は、共同通信、読売新聞、毎日新聞、朝日新聞を参考にしました。

2004年10月第4週、11月第1週の環境ニュース

この2週間、いろいろありますが、とりあえず、ロシアが京都議定書に参加しました。プーチン大統領も署名したようですから、2月5日には京都議定書が発効しますね! もうこれだけで他には言うことありません。 ごみ問題と環境税についても動きがありましたが、これは別記事にします。 ほんとに長かった。。。 これから、どんどんこんな感じですこしずつ世の中が持続可能な方に動けばいいですね。

10月第4週の環境ニュース

先週は、あちこちの環境ニュースの批判になってしまいましたが、今週はそんなことはなさそうです。 ただ、いろんなニュースにいちいち反応するのはなんだか条件反射みたいで深みがないですね。 出来るだけ、ニュースの裏が読めるような記事にしていきたいなと思います。 まだまだ精進が足りませんね。 さて、今週ですが、やはり最大のニュースはロシアの上院が地球温暖化防止のための具体的な削減方法について定めた京都議定書を批准したということでしょう。後は大統領が承認して条約事務局が受理すれば90日後には無事発効します。 エネルギー関連では、浜岡第4原発に続いて、福島第1原発でも使用しているコンクリートのデータが偽造されていたことが分かりました。またもやエネルギー関連で、人為的な原因による問題が発覚したことになります。何度も書いていますが、原子力政策でもっとも大事なのは「信頼」です。 電力会社や政府がこの件について信頼できなければ、不安のない生活はおくれません。 経済産業省は、想定している基礎データがそもそも間違っている、あるいは嘘であるという場合に災害が発生した際のマニュアルはあるのだろうか。 今週で温暖化以外の大きなニュースといえば、今週はごみ関係の話題が豊富でした。まずは企業活動から出るごみのうち、一般廃棄物に含まれないごみである産業廃棄物の最終処分について、課税する手法であるいわゆる産廃税が九州5県分について総務省が申請を許可する方針である。 これは、逼迫が深刻化している産業廃棄物の最終処分場の延命を測るための措置であるとともに、県外から流入し続ける産業廃棄物を抑制するためである。 効果が出ることを期待したい。

ご無沙汰です

一週間空いてしまいました。 実は先週末に10月第4週の環境ニュースを書いたんですが、あまりの眠さに操作ミスをして、消してしまいました。 (保存前に入力していたブラウザを閉じてしまいました) そんなわけで、今週は2週間分の環境ニュースを書こうと思っています。 今週の環境ニュースというのは、時事問題に条件反射的に反応するだけだからそんなにエネルギーはいりません。 なんとなく、「こんなこと書いてええんかいな?」とか思って筆が止まることがあり、そういうときは「いや、こういうのを書くからええんや」と「一方的に攻撃的なのもつまらんやろ」というのの間で葛藤があります。 そういう意味では、すこしずつ、環境問題ブログから環境問題コラムへと成長していけれ花後思っています。 もっともWebを公開し始めてもう7〜8年ぐらい経っています。ずっとコラムが書きたいと思いつつ、今になってしまっているのかも知れません。 ちなみに、今週は何もしていなかったのではなく、 Geeklog Japanese!の方をちょこちょこといじっておりました。 日本語の精度を上げることと、メールの日本語化、UTF-8化です。 新しいバージョンのリリースも近づいてきてGeeklogもかなり良い感じになってきました。 なんと言っても、今度のデフォルトテーマは読みやすくて、一般受けしそうです。 僕も他のサイトのデザインをまねして、いくつかテーマを作りたいですね。 週末、時間を見ながらやろうかなあ。

電車通学っておもろい

今日は夜の授業だったので、9時過ぎに学校を出て電車の駅に向かっていたときのこと。 4台ぐらいの車が駐禁でチョークを引かれていた。 時間は5分前。 (早くポリさん、戻ってこないかなあ)と思いつつ、車の持ち主が気づいて戻ってこないように祈りながら通り過ぎる。 すぐ横を、改造車が轟音をたてて通り過ぎる。 (うるせーなー)と思った瞬間、ぴぴーっと笛の音。 僕が通り過ぎるときには、自転車のポリさんに紫の車に乗った厳つい兄ちゃんが切符切られてた。 もうちょっと先に行って、角を曲がると今度は、6人ぐらいのポリさんが、会議室のテーブルみたいなのを囲んでる。 (ああ、年末が近いから、火の用心かな) と、近づくとテーブルにはDVDのケースが山積みで、手前には、華氏911とか、いろいろ最新の映画のタイトルが書かれた紙がぶら下がってる。 そして、ポリさんに職務質問されてるのは、ちょっと貧相なおじさん。 確か、ああいう業者ってつかまらへんのかな?って隣のK氏とはなしてたとこやった。 日本橋は良くって、長瀬はあかんのか? まあ、いずれにしても、わずか10分ちょいの間にたくさんポリさんが活躍しているところを見た。 物騒な時代やから、こういうのって安心やね。 ポリさん見ると身がすくむのだけは何とかしたいとこやけど。

10月第3週の環境ニュース

10月16日から22日までの環境ニュースから抜粋しました。 温暖化関連ではやはりロシアを巡るものが中心ですが、ここでは日本での動きを。 今週は、原発の建設を沖縄電力が検討していることが明らかになったり、環境省、経団連が原子力発電所が温暖化対策に有効だということを発言するなど、原発に追い風が吹きました。 僕自身は、原発のことを云々する前に、この前の事件の処分が先だと思います。関電の社長など責任者は、人が死ぬことは十分に予測できたはずです。少なくとも、重過失は認定されるでしょう。そうなれば、殺人罪で告訴することも可能なはずです。 また、これで放射能が外部に漏れる危険があったのであれば、殺人罪どころでは済みません。 こういうことを一つずつきちんと積み上げることが国民の理解を得るということだと思います。 さて、温暖化対策として原発ばかりに頼るのではなく、様々な創意工夫でやれることはまだまだあるという話が、琵琶湖のエコバスの話です。 これは、廃食油を使って作った燃料(BDF)を利用して、バスを動かすものです。 バス路線は、琵琶湖の東西、JR守山駅から堅田駅間の約13・4キロです。便数は1日36往復といいますから、割と使えるかもしれません。一度乗ってみたいところです。 また、ドイツでは兵役の代わりに様々な奉仕活動を行なうことが制度的に認定されているようですが、環境省がこの一つとして、再生可能エネルギー関係の広報・研究を支援する分野の活動を追加するように要求したと言うことです。(EOL) 環境問題といえば、やはり4大公害をはずすことはできないのですが、このうち、水俣病について、関西在住の被告が国を相手取った水俣病関西訴訟の最高裁判決が出、行政責任が認定されました。 水俣病は、1956年に公式発見されていますから、それから48年も経ってようやく責任の所在がはっきりしたことになります。判決は画期的でしたが、被害者を48年間苦しめ続けた裁判所の責任は重いと思います。 48年間というのは、人の人生の中心部分を優に超えています。より迅速な裁判制度の確立を司法が考えなければ、司法に判断をゆだねようとする人は少なくなってしまうかも知れません。 ごみ関係では、現在環境省がごみ処理に関する「基本方針」を改訂中です。この目玉として、家庭ごみの収集を原則有料にするというものと、プラスチックごみを不燃ごみではなく、可燃ごみとすることを義務づけるというものが含まれています。(読売新聞) こういう話をすると、結局国は大都市のことしか考えていないのかなと言う気がします。 プラスチックごみの問題は、(1)最終処分場の問題(2)焼却による有害物質の発生(3)収集・処理費用の問題というのがありますが、今回の解決は(1)しか意識していないようです。 地域によって問題が異なるのだから、こういうものは各地域の自主性に任せるべきです。それで自然と大部分がプラスチックごみを焼却するのならそれでも構わないでしょう。 でも、自治体の中には、ごみを燃やさない選択をしている自治体もありますし、今後も数が増えると予想されます。 地域の自主性の目を摘むような政策を導入する暇があったら、環境税の導入にエネルギーを投入したらどうかと思います。 さて、今週はこんな感じでした。 他には、環境税を巡る議論もありますが、これは少々情報待ちという印象です。 情報ソースは以下の通りです。 EOL:エコロジーオンライン 共同通信 毎日新聞 読売新聞

周りが散らからない書斎

こんなのがあると、部屋がちらかならないかも。 なんか、ここに閉じこもるというのも何ですが、たぶん、この中はぐちゃぐちゃになるけど、勉強も睡眠も全部完結してしまいそう。 で、外には仕事を持ち出さないようにすれば、この外側は「生活感のないおしゃれな」部屋も実現可能。 ワンルームマンションとかに作りつけとくと良いんではないでしょうか? あるいは、これが各学生に貸与されるロースクールなんかだと学生も結構来るかも。 もちろん、院生室におくんですよ。 自宅用に貸与じゃ意味無いから。 でも、これ家においとくとインターホンの音とか聞こえなくなりそうです。 あるいは、入り込むともう出たくなくなるかもなあ。

ロシア下院通過!

京都議定書を批准するための法案がロシアの下院を通過したようです。 あとは、上院を通過して大統領が署名すればロシア国内での手続きは完了します。 その後、条約事務局が批准書を受理して90日後には京都議定書が無事発効します。 なんだかやれやれという感じです。 いつの間にか、もう第2約束期間(2013年からの5年間)の議論も始まっていて、京都議定書の枠組みがどうなるかも分からなくなっています。 でも、それだからこそ、第1約束期間では京都議定書の枠組みをきちんと守り、先進国がそのほかの国々から信頼される態度をとる必要があります。 米国抜きでも世界は動きます。米国が自国の利益を追求している間に、そのほかの国々は別のグループを作り上げてしまうこともできます。 それが、21世紀の国際社会なんじゃないかとも思います。 米国の覇権なんてせいぜい100年続いただけです。それが今後も続くと前提する必要は何一つありません。 日本の常任理事国入りもささやかれている中で、今後は交渉上手なヨーロッパ諸国や中国のプレゼンスはますます高まるでしょう。 その中で、日本がどんな役割をするのか。それが問われます。 少なくとも京都議定書をきちんと守るために、極力京都メカニズムを使わないことが今後の日本のイメージを作ると思います。どんどんお金で削減量を買ってしまえば、ただの国です。 自国の経済が一時的に悪化してでも、二酸化炭素排出量の少ない経済に日本を作り替えてしまうことは重要です。 この間に新しい技術が生まれるでしょう。 第2約束期間には二酸化炭素の排出を抑制しなければ行けない国が大幅に増えます。第1約束期間に苦労した分、第2約束期間以降は、それを海外に売って行けばよいのです。 今苦労すればするほど、これらの技術のブランド価値は高まります。 それをやるためには、企業努力も必要ですが、それ以上に、これからの日本はこう生きていくんだという政治決断が必要になります。 僕が政府に望むのはこの部分です。 そのために、僕に何ができるか、いろいろと考えてはいるのですが、なかなか一市民としては有効な手だてを思いつかないのが歯がゆい思いです。