嘉麻市の森を視察してきました

福岡県嘉麻市の森林を視察してきました。 一日かけて、製材所(藤木製材所)、森林組合、森林保護活動をしている方(青木宣人氏)を訪問して、山を見学してきました。 ここはもともとは林業地ではなかったそうで、拡大造林以後、かなりの規模でスギ・ヒノキが植えられた場所です。 なので、現代の林業が抱える問題の縮図のような場所かなと思って、調査に臨みました。 やはり、山というのは人手がいるものですね。 最近、間伐などの過程で山に放置される林地残材の活用がうたわれています。でも、山から材を出す手間は、いい木も間伐材もそんなに変わらないんだそうです。 まあ、そりゃそうですよね。 ワイヤーかけてクレーンで引っ張ったりするわけですから、ワイヤーかける手間はだいたい同じようなもんです。 そうなると、従来残されていた林地残材に対して、いい木と同じだけの対価を支払うことができるのかという問題になります。 木材は需要側の要因で価格が決まってしまうと、森林組合の方がいっていました。 単価を上げる努力は当然してはいるのでしょうけど、特に林地残材は燃料用途が主ですので、努力といってもしれています。 補助金を持ってくるか、社会貢献的な要素を含めた価格にするのか。 でも、支払える方法を考えないと、林地残材はやっぱり山に残ったまま。 なかなか難しいところです。 そこで提案したのは、林業ではなく、山を活用してきた暮らしを見てもらうフットパスの整備です。 この山では、木こりが木を伐りだして、昔から馬ぞりで搬出していたそうです。そして、山の下に製材所があり、そこに売る。 で、その横に居酒屋があったんだそうです。 (今は空き地です) 木こりは居酒屋で労働の後、お酒を飲んで、酔っ払うと、店主が馬に乗せてやる。 店主が馬をたたいてやると、馬は酔いつぶれた木こりを乗せて、家に帰っていくんだそうです。 今でもその馬ぞりが通っていた道は残っているそうです。 たぶん、ちょっと草刈り等をすれば、歩きやすくなるんじゃないでしょうか。 他にも、炭焼き窯の跡もありますし、秀吉の一夜城伝説の残る城跡もあります。 そうそう、ここは遠賀川の源流ですので、源流探索ウォークなんかもありますし、鮭神社もあります。 なんだかほんとうに、観光としてはおもしろそうな場所です。 そういう観光からの収入を、先ほどの林地残材の搬出コストへの支払いに充てるしくみが作りたいんですよね。 搬出した林地残材は、村の温泉での焚き物として使いますので、フットパスやトレッキングを楽しんだあと、温泉を楽しんでもらうこともできます。 いい話だと思いますが、うまくすすめることができますでしょうか。