技術が発展してコンピュータは面倒になってきた

インターネットへの常時接続がめずらしくなくなった今、期待していたような便利さを獲得できたのだろうか。 さすがに、通信環境のない時代を考えると、少々不公平な気がするので、15年〜20年前を考えてみよう。この頃はNiftyServeなどの電話回線でつなぐパソコン通信の時代だ。 この頃は、インターネットというものが出始めた頃なのだが、普通の人はパソコン通信で満足していた。メールは、自分が契約していた通信業者のアカウントを持っている人だけがやりとりできた。 もちろん、常時接続ではなく、使いたいときに接続して、接続した時間に応じて電話代と情報量を支払う形だ。 支出額は、だいたい月に5−6000円ぐらいが標準だろうか。 この頃できたことはと、考えてみると、メールだけではなく、掲示板で情報のやりとりもできるし、オンライン上で公開されているソフト(オンラインソフトと呼ばれていたかな)をダウンロードして自分のパソコンで使うこともできた。 結構いろいろなソフトが公開されていたので、日常の使用に困ることはなかった。 で、ウィンドウズ3.1の時代になり、インターネットの時代になり、技術が発展してきたわけだが、これといって便利になったことって何かあるのだろうか? 最近、パソコンを触っていて、いらいらすることが一つあって、こういうことを考え始めた。 パソコンを使っていると、急にウィンドウが立ち上がって、「最新の更新が公開されています。ダウンロードしますか?」とか、それならまだしも、勝手にデータをダウンロードしてインストールするツールもある。やけにパソコンが重いなと思ったら、インストール中だったりする。 あげくに、「今すぐ再起動します。」とくる。 僕がやりたいのは、最新のソフトを使うことではない。 パソコンを使って作業がしたい。 それだけだ。 確かにセキュリティの問題はあるのかもしれないが、普通の人が普通に使っているパソコンにとって、セキュリティのリスクはそんなに高くない。 (いたらんサイトばっかり見てたらあかんけどね) セキュリティアップデートの緊急性は実はそんなに高くないんじゃないかと思う。 少なくとも、「今から仕事するぞー」ってときに、「あ、その前にソフトをアップデートして、再起動してね」とか言われると、すっかりリズムが狂ってしまう。 集中するのを邪魔する仕組みっていったい何だろう。 RSSリーダーなどの、ネット上で公開されている情報を勝手に集めてくれるソフトも利用者が増えてきている。 一見便利なのだが、よくよく考えてみれば、NiftyServe時代には、「自動巡回ソフト」というものがあり、指定した会議室から最新のデータをダウンロードしてくれたり、ソフトをダウンロードしてくれる。 そしてこれは、予約しておけば、適当な時間にやってくれるので、読みたいときには準備ができているから、別に常時接続である必要性はそんなに感じなかった。 情報公開したい人も、Niftyなどの会議室に、それぞれのエッセイなんかを投稿してもよかった。 そう考えると、ブログなどが情報公開のハードルを下げたと言われているけれども、必ずしもそういうわけでもない。 オンデマンドビデオや多チャンネルにいたっては、全く不要な仕組みだしね。 テレビのおもしろいところは、翌日人と話が合うところだろう。 それがみんな違うものを見ていたら、純粋にコンテンツのおもしろさで勝負するしかない。 けれども、数多くのテレビ局が24時間番組を放送するのだから、才能が各局にばらけてしまって、おもしろいものを時間をかけて作ることもできない。 少し昔話をしてしまいました。 結局、ネットがどうこう、最新のソフトがどうこうといっても、「仕事に使えるかどうか」がやっぱり大事だってことです。 仕事に集中させてくれるOSは何か、ソフトは何か、を見極めていく必要がある。