スロービジネススクール、今年の一年

「学校なんだけど、校舎はなくて、日常の授業もないんだ。学生は全国どこにいても学生になれる、外国にいても構わないし外国人でも構わない。年間に3回くらい西日本とか、関東とか、東北とか、場所を変えて合宿をするんだ。そこに、スロービジネスの本質を語れる講師にも参加してもらう。」 そんな中村隆市さんの言葉に応えて生まれた団体がスロービジネススクールです。 そろそろ設立後3年を迎えようとしています。 僕は二年目からの参加なので、入学して2年が経とうとしています。 最初は、中村さんの会社「ウィンドファーム」の社員が事務局をつとめていたのですが、今年はスクール専属の職員を1.5人雇用することができ、じょじょに体制が整ってきました。 今日はお風呂がわくのを待っている間に、スロービジネススクールの紹介を兼ねて今年の総括をしておきます。 スロービジネススクールの一番の特徴は、たくさんの仲間にであえることです。 せっかく仕事をするんだから世の中のためになる仕事がしたいと考えることは自然なことです。 今まで意外と仕事を通じて社会を変えることができるか考えることは一般的ではありませんでした。 関心を持つ人は、仕事の意味を考えているのは自分だけなんだろうかという孤立感を抱きながら、誰にも相談できないという状態でした。 スロービジネススクールに入ると、「なんだ同じこと考えている人、いっぱいいるんだ」って思えます。 こうやってできた仲間とともに実際にビジネスを体験していくことができるというのが第二の特徴です。 もともと商品を安く卸してもらえるので、自分の店やイベントで販売することなどは設立当初から可能でした。 今年はさらに、みんなで作ったお店「膳(Zen)」がオープンしました。 僕にとっての今年は、この動きにどっぷりとはまった一年でした。 どこの組織でも同じなんだと思いますが、圧倒的にコーディネータはもとより組織運営のための仕事をする人が少なく、一度仕事を始めると次から次へとやらなければならないことが見えてきて、いろいろと仕事をすることになりました。 でも、何か一つ仕事をすると、スクールが一つ前に進むという実感は確実にありました。 それでまた次の仕事をしたくなる・・・とこんな流れでしょうか。 本格的にビジネスを始めるかどうかは別にして、非常に小さなリスクで商売の体験をすることができ、同時に世界がよくなっていく手助けができる、そういう仕組みが少しずつ形になりつつあるなと感じています。 事務局長の矢野さんの話で印象的なことがありました。 一緒にイベントに出かけていって、カフェで朝ご飯を食べていたときのことです。 その店のコーヒーを飲んで、一言。 「うーん、やっぱりうちのコーヒーはおいしいですねえ」 (その店のコーヒーは、スロービジネススクールで扱っているコーヒーではありませんでした。) 飲み比べて初めて分かる良さなのかも知れません。 自分の売っている商品を、こんなふうに、客観的に「いい」と評価できる人、会社って世の中にどれぐらいあるんでしょうね。 来年は矢野さんを中心に、もっともっといろいろな楽しいことを進めていく予定です。 新しい学生も2月頃に募集する予定です。