農産物を裏付けにした貨幣が誕生!

ふつうの地域通貨は、じっさいのところは紙くずで、みんなが価値があると思っているからこそ商品やサービスと交換できる。 実はこれは日本の紙幣も同じで、みんなが価値があると思わなくなると、これもまた紙くずになってしまう。 昔の紙幣はこうではなくて、発行された紙幣と同額の金が国の金庫にちゃんとしまわれていたわけだ。 今回の岩手県の湯田町と沢内村での取り組みは、ちゃんと発行された紙幣に相当する価値があるモノが用意されている。 それは、「わらび」。 この地方ではだいたい年間20万円分のわらびが収穫できるだけの畑を用意して、紙幣の裏付けにしていくのだそうだ。 だいたい、温泉にはいるのは、200わらびで、100わらびは100円に相当するわらびと交換できる。 しかし、100円分のわらびってどれくらいなんでしょうね? も一つ、わらびって畑で作るもんなんだって初めて知りました。 その辺の土手にわざわざ探しに行って採ってきて売るのかと思いましたが、さすがにそんな不効率なことはしないんでしょうね。 いずれにしても、日本の円ですらできないことをやってのけるというこの試み、果たして成功するでしょうか? 基本的に地域通貨が成功するかどうかの基準は、「運営サイドが楽しめたかどうか」で判断すべきだと僕は思っています。 みんなそれなりに暮らせてる地域で何かプロジェクトをやったとします。 そこに、お客さんがいっぱいきても、お金がいっぱい儲かっても、楽しくなければやる価値ってあんまりないですよ。 それよりも、「おもろかったなー。もう少し続けようか。」とか「またなんかやろうなー。」っていう雰囲気が街に出来ることが重要。 そう考えると、この取り組み、わらびと交換できるというポイントに経済学者としては目が向きますが、実際にはもう少し運営体制なんかをみたくなりますね。 朝日新聞7月24日: 温泉入浴「200わらび」なり 岩手・西和賀地域通貨