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先週の土曜日、熊本に、フェアトレード学-私たちが創る新経済秩序の著者である渡辺先生がいらっしゃった。 僕も育児の合間を縫ってというか、相方が休みなので、出かけることができた。熊本に来て初めてのイベント参加だ。もっと時間があるかな?と思ってたけれども、「今は育休中」と思うと、相方とこどもをおいて出かける気にはなれなかった。 さて本題。 渡辺先生は国際協力を行うNGOのメンバーとして海外(ラオス)で援助に携わったこともある方。 今回の話は、援助の現場にいた渡辺先生から見たフェアトレードについて話して下さった。 援助というのは、現地の人々に援助慣れ、援助への依存が生まれてしまう他、援助する側が上から目線で行動してしまいがちであるといった問題があるという指摘があった。 この話は一般論としても言われているが、実際に現地で地域の自立を目指して苦労してきた経験があるだけに、重みのある指摘だった。 それに対して、フェアトレードは、対等の関係であるというのが一番大切である。 80年代には中途半端というか、品質の悪いものを「途上国の人のため」といって販売し、買ってもらうという構図があったそうであるが、それはもはや過去のものだ。 ある程度、品質と価格のバランスがとれた製品を作るよう、現地とのコミュニケーションをとることが大切である。 と、だいたいこんな感じの話だった。 ちなみに、冒頭で紹介した本は、3360円と少々高い気がするかもしれないが、フェアトレードについて歴史・現状・各グループからの批判が包括的に紹介されているので、フェアトレード本はとりあえずこの一冊で用が足りる。 そういう意味では、お買い得ではないかと思う。 フェアトレードってなに?という人もいるかもしれないが、今回のイベントの司会を務めてくれた熊本の芸人さんが最後に、「フェアトレードっておかげさま貿易ってことですね」という発言をした。 この訳語、フェアトレードのイメージにぴったりくる。 途上国の人にとっても、我々にとってもよりよい取引を支えるのが、おかげさまという考えだ。