アドプトXの広がり

アドプトリバーとか、アドプトロードという言葉をご存じだろうか? 個人やグループに河川敷や国道の決められた範囲の管理を委ねることをいう。 この取り組みは、日本でもけっこう行われていて、国道沿いの地域の自治会や子供会が花を植えているような事例がそれだ。 道路や河川は公共のものであるが、日々ふれあうのは地域の住民である。いっそのこと、地域住民に管理を任せて、好きなように使ってもらおうというのが、アドプトX制度だ。 Xには道でも川でも、階段でもなんでも好きなものをいれてくれればよい。 なかなかおもしろい取り組みだなあと持っていたら、それがインターネットの世界にも波及した。 それが、アドプトソースコード。 ソースコードというのは、プログラムそのもので、通常、プログラミングというのは、ソースコードを一行一行書いていく作業をいう。 オープンソースというのは、このソースコードが公開されているものをいう。 オープンソースのソフトはたいてい無料で配布されている(フリーウェア)。 開発も多くはボランティアベースで行われていたり、寄付でまかなわれていたりする。 わりと海外では寄付もよく集まるようで、あの有名なWikipediaも寄付でまかなわれている。 しかし、寄付が底をついたりしてしまうと、開発は頓挫する。 今日紹介した、アドプトXというのは、この問題を回避する決定打に見える。 インターネット上のビデオクリップを定期的にチェックして配信してくれるMiroというソフトがある。 以前、国際機関が配信するプログラムなどを見るためにインストールしてみたことがあるが、かなり使い勝手がよい。 (個人的には、ビデオクリップをほとんどみないので利用をやめてしまった) オンデマンドビデオのようなもので、しかもダウンロードと保存を自動的にやってくれるので、あとで見返すのにも便利だ。 僕は講義で使う資料を集めようと思って使ってみた。 さてこのMiro、今回、アドプトソースコードというのをはじめた。 月に4ドル寄付すれば、ソースコードが一行分、「あなたが支援して管理されている」ことになる。 世界的なオープンソースの取り組みに貢献できるわけだ。 なんなら友達に、「このソフトのこの部分、僕が開発させてるんだ」と自慢することもできる。 まあ、月に4ドルというのが高いのか安いのか、今は判断できないし、そんなことをするぐらいなら、年間$48払ってもよいような気もする。 実際、Miroはかなり便利なので、$50ぐらいの価値はある。 しかし、フリーウェア開発の寄付に、アドプトXという仕組みを持ち込んだのは大きな意義がある。 単なる寄付だと、何に使われているかよく分からないし、成果がよく見えない。 アドプトソースコードの場合には、自分が寄付することで維持されているプログラムの部分がちゃんと分かる。 ちょっと貢献してもいいかな、と思わせるよい仕組みだと思う。 環境活動にもかなり応用が利きそうだ。