人前で話すNGその4:主張が表に出すぎる

先日から続いている人前で話すときに見かけられる悪い癖の4つめは、主張が表に出過ぎて、論理展開ができていない、です。 これはまあ、論外と言ってしまえばそれまでなんですが、いくつか亜種もあります。 もちろん、発表する以上、自分の主張があることは大事なことで、それがない人もまた、論外です。 でも、主張をどこまで出すかは慎重に考えるべきことです。 押し出しが強すぎると聴衆が引いてしまうし、弱すぎると、「この人、何が言いたいんだろう?」となってしまいます。 さて本題。論理展開ができない人の亜種を3つ。 亜種その1:「今はそんなことより、言いたいことがあるんです!」 気持ちは分かるのですが、そういうのは別の場所でやりましょう。 むしろ、その主張がちゃんと根拠を伴ったものなのかを検証する場として研究発表の場を使うとよい気がします。 亜種その2:「部外秘の情報なので、根拠は出せません」 すくなくとも、研究会への参加者を信頼できなければ、研究会で発表すべきではないでしょう。 また、最終的な発表時に、データの出所をきちんと示せないというのは、学術研究とは言えません。 個人的には、例えば「国の機関との特別なコネで普段でない情報を出してもらって研究をした」というのも、学術研究としては認めるべきじゃないんじゃないかなと思っています。 誰でもアクセスできる情報を元に研究するからこそ、研究手法を検証できます。 ただ、ヒアリングやアンケートなどでデータを入手するばあいには、その結果の報告自体が一次資料であり、研究成果でもあるので、この限りではありません。 亜種その3:「どうせ分からないだろうから、詳しく説明しない」 「私の話は高度すぎて、伝わらないだろうから、結論だけ話すよ」、とでも言いたいのでしょうね。 過程をきちんと説明できないものは、研究とは呼べません。 百歩譲って、おもしろい主張だと思っても「仮説」の域を出ないと言わざるをえません。 この手の人は、確かに詳しく話してもらっても意味が分からないことが多いです。 自分にしか分からない根拠で結論を導いた=「ひらめき」を人に伝えることなんてできないと思っているのかも知れません。 しかし、いくらすばらしいひらめきがあっても、それをみんなに分かるように、後から検証できるように過程を埋めていくのが研究です。 その辺り、研究の意味をはき違えていると言うことかも知れません。