生活というものは続けることが大事

昨日の日本経済新聞夕刊のインタビュー記事での玉村豊男さんの言葉。 玉村さんは、長野県に移住して23年になるが、2年前にワイナリーをオープンするという新たな挑戦をはじめている人です。 ワイナリーはレストランも開業していて、その模様は、「ヴィラデスト・カフェブック」に記されています。 生活の方は、田園の快楽―ヴィラデストの12ヵ月ちょっと古いけど、こっちに田舎暮らしの模様を記した本もあります。 本業はエッセイストなので、美食や食べ歩き、ヨーロッパの旅行記など数多くの著作があります。 いろいろ調べてみると、この人、今一部ではやりの「半農半X」の人なんですね。 特に、Xの部分は塩見さんがインスパイアされた「半農半著」の星川淳さんとまさに同じで、「著」の人です。 ただ、最近は、それだけでは飽き足らずに、半農半ワイナリーに発展するという、なんだか楽しい人です。 ちなみに、アマゾンで販売している玉村豊男さんの本へのリンクです。 著書の中では、特に、パンとワインとおしゃべりとなんかは結構良さそうな感じです。 というか、今まで、ワインとかヨーロッパって高級ぶって嫌みなエッセイストやなあって思ってたんですが、夕刊の記事を読んで、なんかすごく興味がわいてきました。 今日の夕方、梅田に出かける予定なので、早速買ってみよう。 今日のインタビュー記事では、参考になる話がたくさんありました。 この後で、いくつか抜粋しておきます。 「(農業について)世話をしないと作物は育たないが、世話をしても最後に台風が来て作物がやられたら、それでおしまい。人事を尽くしても限界がある。一種のあきらめというか、仕方がないと思うようになりました」 「農業を通じて思ったのは、生活というものは続けるコtが大事だということ。生活の目的は日々を暮らすことだけで、それ以外にはない。単純な繰り返しのなかにささやかな喜びがある。」 「いまはインターネットでの買い物が便利。東京でも本を探し歩くのは大変。ネッットで見つけて頼めば、すぐに宅配便で届く」 (日本経済新聞夕刊、2006年11月9日、13面) 玉村さんの話って、スローライフというのは、生活のなかの陰陽のうち陰の部分を大事にするという話につながります。 陰というのはつまり、日常生活。 これに対して陽というのは、本来は非日常なんだけど、都会暮らしだと毎日いい服を着て知らない人に会って・・・という生活なので、これは家を一歩でたら陽になってしまっているんでしょうね。 一種独特なのは、大学。 自宅から通ってくる学生は、わりときれいな格好をしてきて、まさに陽ってかんじなんだけど、下宿生は、パジャマっぽい服とか、ゾウリとか履いてて、きわめて陰に近い状態。 つまりは、陰と陽が入り交じっているのが大学なのかもしれません。 僕は本来、勉強というのは陰、日常のなかにあるべきと思っているので、こういう状態というのは面白い現象だと思います。 できるだけ、「おでかけ」で身構える、刺激を求める心を陰に近づけながら、勉強してもらうためには、下宿生たちのある種「ゆるんだ」服装、態度が重要かなと思います。 もちろん、僕の授業では私語厳禁ですけどね。