会議ではまず、京都議定書の運用ルールの詳細(マラケシュ合意と呼ばれる)について合意しました。 これによって、京都議定書はとりあえずいつ第1約束期間(2008年-2012年)に突入しても大丈夫な態勢となりました。 ただし、運用ルールについて、日本だけは議定書の約束を守れなかった場合の罰則に「法的拘束力」があるのかないのか、つまり罰則は国際法上の意味を持っているのかどうかという点にこだわっており、今回の会議で大きな論点になります。 ちなみに、法的拘束力があれば京都議定書は改正しなければならなくなりますので、改めて各国が改正を批准し「改正部分が発効」する必要があります。 それから、2013年以降の削減目標を今のうちに決めておかないと、2008年になって、「やっぱり守れそうにない」って思った国が現在よりも緩い基準での削減目標を設定しようとしてしまいます。 これを避けるためにも、今回の会議で、2008年より前のどこかの時点までに第2約束期間の目標を定めることに合意する必要があります。 そんなわけで、議定書が発効して少し関心が薄くなりがちな温暖化関係ですが、実は議定書の発効は温暖化対策の1歩目にすぎません。 これからは関心を持つだけではなく、ちゃんと行動しなければというところです。 asahi.com:温暖化防止へ カナダでCOPMOP1開会-国際 マラケシュ合意については、GISPRIによる和訳を参照してください。 解説は、僕も関わっているのですが、CASAというNGOがだした合意を評価した報告書が良いと思います。 CASAの報告書