下流社会

話題の本で、友人のクジラっぽい人が推薦してくれていたので、読んでみました。 僕はこういう本嫌い。 自分がこの本に書かれている類型に当てはまっていることを自覚させられてしまいますので。 別に型にはまっているのがいやというわけではないのですが、なんか当てはまってたらいやですよねえ。 たとえば自分が「負け犬」とか言われたり、「ちょいロクオヤジ」って名付けられたり、ね(笑) なんとなく「下流」に当てはまってしまっている気がするとはいえ、中身はまっとうで、面白かったです。 (自分はこの中に当てはまらない!って分かればこういう本、わりと好きです) そもそも、「下層」と「下流」は違うのだそうです。 下層とは、「食うや食わずの困窮生活をしている人」(p.5)であり、下流とは、中流から「意欲」がかけている人を言いいます。 本書はこの下流階級に所属する人に光を当てて分析しているわけですが、ここで言っていることが本当だとすると、これからの社会、本当に成り立つの?という疑問がわいてきます。 普通の暮らしっていうものをする人がいなくなったり、いやだけどやらなければならないことをやる人がいなくなったりしてしまうと、社会って成り立たないんじゃないかなあ。 三浦氏の指摘って実は社会問題化することを恐れて「下層」と「下流」は違うってあえて言っているけど、下流っていうのは結局は将来の「下層予備軍」だと思います。 そして、一般の人たちから意欲を奪ってしまうような社会はやはり長続きしないんじゃないですかね。 みんなが下層予備軍だとすると思い出すのは、この前読んだ『ネクスト・マーケット』。 ちゃんとした品質のものを小分けするなどの工夫で人々が日銭で買えるようにすれば、BOP(社会の底辺)にいる人たちにも物を売ることができるらしいです。 それと、今の下流社会の人たちが100円ショップ、99円ショップを日常生活に完全に溶け込ませてしまっている現状。 100円ショップの売り方はやっぱり、「BOP」、あるいは「下層社会」に対するものの売り方だという気がします。 三浦さんは、「そんなこといわれたくなかったら、意欲を持とうよ」って言ってるのかもしれません。

下流社会 新たな階層集団の出現

下流社会 新たな階層集団の出現

posted with amazlet on 05.11.28

三浦 展
光文社 (2005/09/20)

おすすめ度の平均: 3.02

2 うーん・・・
1 これがベストセラーになるというのがすでに…
1 作者は統計学、社会学を勉強した方がいい

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アンケートのとり方、分析方法については、まあ、これは学術書じゃないから・・・と言っておきましょうか。 いちいち目くじら立てるほどのこともないと思います。 厳密にやろうとして何も言えなくなるよりは、ある程度適当でも「インスピレーション」を大事にした方が良いです。 この本の真価はアンケート結果以外の部分にあるのだと思います。