電子書籍の限界

電子書籍が一気に増え始めている。 そろそろ、Sony Readerを買おうかな。 なにしろ端末が1万円前後と安いので、失敗してもまあしょうがないかなと思える。 ちょうど、スマホのSIMを月に500円のものに変えたので、1万円ぐらいならすぐにもとがとれるしね。 書店を見ても、わりと欲しい本が出始めている。 講談社が9月末に一気に100冊追加したりで、週に1000冊ペースで増えている感じ。 出張とか移動が多いから、本、できたらあまり持ち歩きたくない。 なのにいつも3−4冊の本がなぜかかばんに入ってる。 これが、電子書籍端末一つにおさまればどれだけ楽だろう。 紙資源もいらなくなるし。 ただね、電子書籍ってほんまにどうなんかなあって思うことが一つ。 家族で貸し借りできないし、こっそり親父の本を見るということもできない。 僕が大人の本を読み始めたのは、本棚に並んでいた父親の本に手を出してから。 小学6年生ぐらいの頃、僕は図書館で借りたこども向けのハードカバーばっかり読んでいた。 そんな、ある日、図書館で借りた本を読んでしまって、何か読むものを探していた僕は、父親の本棚に何気なく目を向けた。 そして、たぶん、池波正太郎だったと思うけど、時代小説を一冊手に取って、ぱらぱらと読み始め、はまってしまった。 こどもにとって、親の本棚に並ぶ本の背を見て育ったり、親の本に手を出すことって、とても自然なことだし、大切なことだと思う。 電子書籍になると、そういう機会は少なくなるのだろうなあ。 「これは読んでもらいたい」という本は、紙で買うかも知れないけど、意図せずにこどもが影響を受けてしまう方が、いいんじゃないか。 夫婦間でも、「これ、おもろかったで」とぽんと本を渡すなんてことができないのだろうか。 確かどこかの電子書店は友人間の貸し借りシステムを実現していた気がするけど、そういうの、実装されていたらまあいいのかも知れないけど。。。 あるいは、友達が来て、ざーっと本棚を見て、 「あ、これ持ってる。おもろいよなあ」 「え?あんたがこんなん読むん?意外やけど、うれしいなあ」 なんて、会話も成り立たなくなる。 電子書籍は、今まで家に入れる人にとってはオープンだった書棚が、完全にクローズドでパーソナルなものになってしまうのかも知れない。 それってほんとうに「進歩」なのかなあ。