福島の原子力発電所付近の海から放射性物質が基準を超えた放射性物質が検出された。これについて、東電は次のようにコメントした。
東電は「海水を直接飲むことはないため、現時点では人の健康に影響はない」としている。周辺海域や漁業などへの影響は今後、評価する。 (http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110322k0000e040089000c.html)
あきれる見識だ。 そもそも原発からの温排水で海洋の環境が大幅に影響を受けると言われていることについては、ほとんどの原発関係者は無視してきている。 そして、六ヶ所村の再処理工場が稼働すると、三陸沖の漁業資源の多くが汚染され、食べられなくなるという話も無視されている。 いずれにしても、そこで指摘されている危険性は、「海水を飲むこと」の危険等ではない。 水俣病のときもそうだった。 「海水を飲むことで病気になる」ことを心配する人等いない。 海水に含まれる汚染物質が生体濃縮によって数百倍、数千倍に濃縮され、魚等に高濃度で蓄積されることで、それを食べる人間に悪影響が出る。 こんなこと、常識なのに、あえてそういう常識に答えないところに、今回のコメントが悪質だと感じてしまう。 原発事故に関して、今、東電を責めてもどうにもならないとは思うし、むしろがんばって事態を打開してもらいたいと思う。 その一方で、東京にいる担当者達の見識がこの程度であることに空しさを感じる。