パターン認識

11ヶ月になるこどもが、いつの頃か、犬がすごく好きです。 散歩していて犬を見つけると、「わんわん」(のようなこと)といって喜びます。 レトリバーも、ブルドック(?)も、チワワでも同じです。 どれも同じ犬って分かるのがすごいと思うのですが、さらには、絵本の犬の絵も同じようによろこびます。 アフリカの先住民に、シカとかガゼルの絵や写真を見せても、自分たちが普段捕まえている生き物と同じと認識できないという話がありますが、あれはほんとうの話なんでしょうか? こんなに小さな子に、これだけの認識能力があるのだから、彼らにそれができないというのは、質問の仕方が悪かっただけなのでは?なんて思います。 けれども、こういうパターン認識がすごく苦手というか、こどもの頃から発達していない印象を受ける学生が多いように感じます。 むしろ、理性が加わる分だけ、退化しているかも知れません。 大学生なら、抽象的な理論を現実にあてはめる=理論と現実の間のパターンマッチングができるはずなんですが、それができる人がほとんどいません。 それどころか、二つの事例間の相違を見つけることすら難しいようです。 これって、レトリバーとチワワと家猫を比べて、犬を抽出することができないってレベルの話じゃないのかなあ。 こどもは右脳で直感的に類似性を見つけるのに対して、事例間の類似性は左脳で理論的にやらなければいけないってことかな? 最近、意識して、学生にこのパターンマッチングをやってもらっているのですが、少し訓練すれば、わりとすぐに事例間の比較はできるようになります。 次はこういう比較を習慣化することなんですが、そこはハードルが高いようですね。 僕は学生にとってもっとも大事な能力が、二つの物事の相違点を見つけ、その原因を探ろうとする意識だと思っています。 そのうちの類似点を見つける能力が、1歳にならないこどもに備わっているのに、ちょっと驚いています。