Googleマップとか、道路地図とか、便利なものがいろいろあるけど、ちゃんとした地図の読み方を昔習っているのだから、そういう地図が欲しくなりました。 「分かりやすい」というのはやっぱり初心者に向けてのもので、ほんとうに使えるものは、多少難しくても、やっぱり便利さが違うな、と。 たまには「休み」らしいことをしたいと思い、今日は朝から自転車で出かけてみました。 自宅から通潤橋までの40キロ前後の道のりです。 途中、相方が車で追いかけてくることになっていて、追いつかれたらそこでいちおう終わりという予定にしていました。 いろいろと自転車関係の本を読んでいると、40キロぐらいはサイクリングに毛が生えたものっていう感じみたい。 なので、まあ、現地で相方が来るのを待っておこうと思って出かけました。 ところが、40キロの道のりは楽なものではありませんでした。 なんと言っても、通潤橋は「山都町」=やまとにあります。 あの「邪馬台国」伝説の舞台の一つです。 邪馬台国は奈良がそうであるように、山の奥にあるとされています。 そこを目指していくのですから、多少の山登りは覚悟しなければなりません。 ちなみに、関西にいると「邪馬台国が奈良以外にあるわけないやん」って強く感じます。 が、九州に来てみると、「なるほど、こちらにあってもおかしくはないな」という気持ちから、住んでいくうちに、「もし、邪馬台国が九州でないなら、こちらにはそれよりも古い国が存在していたはずだ」という気持ちに変わってきます。(よね?僕はそうでした)
[caption id=”attachment_664” align=”aligncenter” width=”300” caption=”山都町の山の中にある大きな橋”][/caption] 途中、御船町の役場辺りまでで約10キロ。ほぼ、平坦な道のりでした。 今回はペースをあげないように注意したので、疲れもほとんどなく、 「なるほど、100キロというのがこの10倍なら、そんなに難しい話じゃないな」 なんて思えるぐらいでした。 役場をすぎて若宮神社の鳥居の横を通り過ぎると、風景はいっぺんして、山道になります。 山すそというのは普通、こう配が緩いものですから、最初はさしてしんどいとも思わず、ギアも後2枚ほど軽いのを残しながら登っていきます。 「まだ、後少し軽くできるぞ」、というのが、上りのときの精神的な余裕につながるみたいです。 後で、一番軽いギアでも上りに苦労するようになると、「もうやめようか」という思いが何度も頭をよぎりました。 そこから後の道のりは、ずっと上りでした。 最後、少しだけ下りがありますが、その後には、また登りが待っています。 途中、「ホテル邪馬台国」というぼろぼろのラブホの横を通ったり、おじいさんが運転する(信号停車中の)軽トラックにちょっとぶつかって怒られたりしましたが、その他は特にイベントもなく、ひたすら登りです。 一度、道の端に水しぶきがかかっている小さな滝では、頭を濡らして涼をとることができました。 涼をとると言えば、昨日は全国でも猛暑日を記録したみたいで、うちの辺りも35度を超えていました。 が、なぜかこのサイクリングはすごく涼しく快適に感じられました。 山からすうっと涼しいそよ風がおりてきて、それを感じながら走ることができるからみたいです。 そして、登りだけに、ふと横を見たり、振り返ったりすると、田んぼや森が広がっています。 九州って緑が濃いんですよね。 なんか、山が生きてる! 自転車で登っているといろんなことを考えるものです。 その前の日に読んだ、エンゾ早川さんの本に出ていた走行中のポジション(姿勢)の決め方なんかを思い出して、自転車の上で、いろいろ姿勢を変えてみたりもしました。 なんだか、今の走行姿勢がすごく非効率なものに思えて、「もっと楽になれるはずだ」と登りがきつければきついほど思ってしまいます。 そして、「こんな小径車じゃなく、ロードバイクにすればこんな坂、軽々行けるんじゃないかな。なんで俺はあえて小径車で山登りしているんやろ」なんて、既に新しいバイク(自転車)を買うことを考えてしまいます。 20キロをすぎた頃、けっこうな急坂と登坂車線の表示が出てきました。 この辺りから、歩く時間や休憩の時間が増えてきます。 カロリー切れで急に体が動かなくなるハンガーノックや、脱水症状、熱中症が頭をよぎります。 だいたい、8月19日快晴という日の昼間に自転車で出かけるというのがおかしい。 走行後、手を見てみたら、日焼けでグローブの線がくっきり。肌色とチョコレート色ぐらい色の差ができていました。 いろいろ考えて、出かける時間があるのは今日しかないと思ったからではあるけれど、やっぱりもう少し涼しくなった方がよさそう。 「今日しか時間がない」というのは、ついつい無理につながってしまう、危ない考え方ですね。 自転車乗りには、「坂バカ」という、登りが大好きな人がいるみたいですが、なんとなく、その気持ち分かります。 自分の力で進んでいるという実感があるし、適切なギヤを使うと、そこまで足の力がいる訳でもないので、なんだか気持ちがいいんです。 体動かしてる! 事務作業で眠っていた筋肉が一つずつ目覚めていく感じ。 山の上り坂で、自転車を車で追い越すとき、「大変そう」って思うんですが、登っている本人は、そこまではしんどいと感じていないのかもしれません。 もう少し、トレーニングを積めば、もっと坂が好きになってしまいそうな感じもあります。 まあ、それはさておき、20キロをすぎて、坂登りも10キロを超え始めると、いろんなところにダメージがではじめます。 まず、手がしびれてきます。 そしてお尻というか、股間というか、サドルに当たっている部分もしびれてきます。 最後は、膝に痛みが出てきたので、そこでほぼギブアップです。 うまくしたもので、膝が痛くてもう乗れないというか、乗らない方がいいと判断したすぐ後に、相方が車で追いついてきました。 通潤橋まであと5キロ前後というところでした。 相方に車で通潤橋まで連れて行ってもらって、通潤山荘で温泉です。 (ここのお湯は塩素がきつくて、いまいちでした。露天風呂は広くてきれいなんですがね) トータルで40キロ弱。 地上が13キロ、登りが25キロです。 通潤橋までは、後一回、急な長い登りが待っていたので、まあ、今回は無理だったんでしょう。 次は行けるかな? それにしても、ちゃんとした地図で高低差を見ておけば、ここまできついコースを選ぶことはなかったんじゃないかなあ。 前回(というか、初めて)の西原村行きもずーっと上りだし、今回はもっときつい登りが延々とでした。 体力的にはまだまだ余裕だったんですが、足(と手と股)が限界でしたね。 ライディングポジションの調整で少しはましになるのかも。 次は、三角町を超えて、天草に行ってみよう。 これなら、そこまでの山もないし、温泉もあるし、おいしい魚もあるしね。 できれば、ハモの季節が終わらないうちに行きたいなあ。