仕事と生き方を両立させるには?

ときどき、僕が参加しているスロービジネススクールというものを紹介してきました。 スロービジネススクールは、正確には学校ではなくて、自分の生き方へのこだわりを仕事でも実現しようと考える人たちのネットワークです。そこで今、学習カリキュラムを作ろうという話が出ています。 あまりにもスロービジネスというものが漠然としていて、雲をつかむような感じになるからでしょう。 こういう動きが学生(参加者)の中から出てくること自体、そもそも校長の中村隆市氏の狙いなんでしょう。 いい流れです。 そんなときに、メンバーの一人の紹介で読んでみたのが、エコロジーショップ本日開店でした。 お茶の水なんかにあるGAIAというエコロジーショップを作った人で、彼の教えを受けた人がアースデイやなんかのエコロジー関係のイベントを取り仕切っていたりもして、日本のエコロジームーブメントに大きな影響を与えた方です。 まあ、簡単にいうと、環境のことやっててもちゃんとくらせるよ、ってみんなに示してくれた人ですね。 彼の話、すごく参考になったので、いくつか、この後で引用しておきます。 GAIAのコンセプトが、「エコロジーとエコノミーの調和」なんだそうです。 この大きな目的を自分の日常に落とし込んで実現していくためのカギが、仕事のわくわく感。 「自分の興味に正直でないコンセプトは嘘であり、その嘘をコンセプトにして『エコロジーとエコノミーの調和』はありえないということだ。」(p.100) もちろん、こんなことをしていけば、そんなにお金は儲からないかもしれません。 それでもちゃんと暮らしていくためのカギの一つが、「生活と仕事の同化」です。 「究極的には自分の生活の価値観と仕事の価値観を同じにするということであろう。つまり、自分の心に正直に生きるということにならないだろうか。」 「自分の時間を束縛されることなく、安全な食品と生活用品を調達でき、実質一七万円の利益があれば、サラリーマンとして30万円の給料をもらうよりも満足だ、と思える自分がいるなら、「生活と仕事のどうか」は成り立つのである。」(p.44) 17万円とか30万円とかいう話は、ショップをやるということが重要になる。ショップで働けば、自分の食べたい、使いたいような商品を、例えば3割引という割引価格で手に入れることができる。月に10万円商品を買うとすれば、普通の店で買えば、10万円になるけれども、自分の店では7万円で手に入るという話。 もちろん、それ以外にも17万円と30万円に関しては載っているので読んでみるといいですね。 いずれにしても、従業員割引を実施することで、安い給料でも従業員にとっては使い勝手のいい給料になりうるという仕組みは、お店の商品ラインアップにもいい影響を与えるはずです。 自分たちで買いたいもの、日々使っているものが買えることが、実はお客さんにとっても一番いいラインアップなのでしょう。 著者の日野氏は、その後選挙に関わっているのですが、なんとなく近いうちに当選しそうな気がします。 ただ、エコロジーとエコノミーの調和のために、日常のわくわく感を大事にすると、さらりと指摘したほどには、政治への関わりは分かりにくいです。 この辺りがもうすこし分かりやすく説明してもらったら、みんな選挙にいくようになるんじゃないかなという気がします。