これでええんやなあ

阪急電鉄の宝塚駅は改札が2階にあり、改札を背に50メートルほどビルの中を歩くと、阪急デパートに直結している。 そのデパートの入り口の前には、少し広いスペースがあって、壁際にはベンチが並んでいる。 このベンチ、3時過ぎくらいになるとぽつぽつとおじさんで埋まる。 いつも気になっていたが、何か見てはいけないものを見るような感もあり、目をそらして通り過ぎていた。 それが今日は彼らの前を通って、「ああ、これでええんかもなあ」という気がした。 ある日突然納得がいったという感じだ。 おじさんたち、座って何をしているのかというと、一人一本ずつ缶を手にしてビール、チューハイを飲んでいる。ときどきは、煙を隠すように煙草を吸いながら飲んでいる人もいる。 (ここは禁煙スペースだから) こういうおじさんたちがなぜかものすごく哀れに思えていたが、今日、なぜか彼らを認めることができた。 昔は、夕方になったら縁側とか道ばたに出て、夕日を見ながら、しゃべったり、お酒飲んだりする光景があった。 それが今、この町中で再現されているだけなのかなあと得心がいった。 そういえば、ゆっくり夕日見るなんて最近あれへんなあ。