研究の関心 社会全体が持続可能であるために、経済学を中心とした社会科学分野から研究・政策提言を行なうこと。 社会が変わるためには、個人個人の意識が重要となるが、現在一般人の関心は日常生活にしか向いておらず、長期的な社会の方向性についてはほとんど関心がない。そこで、行政は施策を通じて、一般人の関心を喚起するか、あるいは経済的インセンティブをはじめとする制度設計によって、一般人が意識せずして持続可能な社会へと移行するという2つの方向性を考えることが出来る。 いずれの方向性にも一長一短があるのは当然であるが、今、必要とされる施策、あるいは今実行できる施策のオプションは多くはない。それを研究によって提示していくのが研究の主眼とするところである。 そのためには、現在社会で何が行なわれているのかについて、行政職員以上の 知識・経験が必要とされるはずである。そのため、一見、様々な取り組みの実 践、視察を積極的に行なっている。 今、重視していることは、自分の中に現実問題へのセンスを埋め込むこと。現実を勉強して知っていても、その知識はすぐに古くなってしまう。そうではなくて、現実感覚というのを身につけ、常に磨いて行くことが重要だと考えている。 屋久島プロジェクト 2001年度〜2003年度、文部科学省科学技術振興調整費「先導的研究等の推進」「循環型社会システムの屋久島モデルの構築」プロジェクト。 同プロジェクトでは、循環型社会を実現するための要素技術をどのようにして、実際の社会に適用していくのかという点について研究を行なっている。 この研究は、研究室での研究と実社会とのインターフェイスのような意味合いを持つ。 ごみ調査 個人的な研究。鹿児島県を中心とした家庭ごみの収集・処理政策について調査することと、適切なごみ処理システムの構築を志向した収集サービスのあり方に関する検討を行なっている。 特に、ごみの有料制について中心的に研究を行なっている。 離島研究 大学院時代の仲間とやっているものと、前の職場の鹿児島大学の人たちとやっているものを二つ同時進行で進めています。 僕が考えているのは、人口密度も低いし予算もない離島地域で本土と同等の厳しい環境基準を達成する必要があるのか?本土と離島ではダブルスタンダードがあって当然ではないかということです。それを突き詰めると、一国二制度よりも一国多制度の国になるのですが、僕はそれでよいと思います。 今の日本はあまりにもどこもかしこも似かよりすぎています。例えば、ビールでも、ほとんど同じ味なのに、「微妙な」違いでメーカーが競い合っていますよね。こんなの海外のビールの多様性から比べれば、「製造ロットにばらつきがある」程度ですよ。ビールはもっと自由でよいはずです。(でも、原料は自由じゃないけど)